1.バンデグラフ型加速器
バンデグラフ型加速器は、静電気の力を利用した加速器です。電位差を持った二つの極板の間に、荷電粒子を入れると粒子は加速されるという原理を用いています。
電位差は、静電気をため込むことにより作り出し、最高490万ボルトにまで達します。これは乾電池約300万本に相当します。
次に、加速したい粒子をイオン化させます。電気的に中性の粒子は、バンデグラフ型加速器では加速できないからです。イオン化された粒子は、電位差を利用して加速されます。加速した粒子を、ローレンツ力により電磁石で曲げ、実験室に運びます。尚、電磁石を用いることにより、一定のエネルギーのものを選び出す事ができます。
我々は、この様にして、バンデグラフ型加速器により高エネルギーに加速された粒子を、物体に衝突させ、核反応を起こさせてβ放射性核を生成しています。例えば重陽子を加速して、リチウムに衝突させると、以下のような過程によりβ放射性核が得られます。
我々の研究室では、以上のようにして得られたβ放射性核を用いて、以下に示すテーマに沿い研究しています。
1、β崩壊の詳しい研究(弱い相互作用の研究)
2、結晶中の電磁場の様子、結晶構造の研究(核物性)
3、β放射性核の構造の詳しい研究(核構造)
さらに、得られたβ放射性核の偏極を制御するための研究も行っています。
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